ROE(自己資本利益率)って何?

ROEって何? 投資の学び

投資系の情報を読みあさっていて、色んなところに出てくる言葉。なんとなく意味を知っていたり、なんとなく理解しているつもりになっている言葉って結構ないですか?私もまさにそれ。なので改めて自分自身の理解を深めるためにこのような記事を書いてみる事にしました。

「こんなの検索したらいくらでも出てくるじゃん。」って私も思ってます笑。なのであくまで自分用。あとは私自身がこれらに対してどう考えているか。を書き綴ったものです。

ROEは「お金の働き方」

直近で書いた「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」に続いて、今回はROE(自己資本利益率)となります。もう既にアルファベット3文字指標ややたらと長い感じの熟語は嫌!って言う人も多いかもしれません。出来る限り簡単に説明しますので、いっそ「漢字は全部読まない」くらいの気持ちでいてもらえればと思います笑

PER(株価収益率)を読んでいない方は是非こちらから

PBR(株価純資産倍率)を読んでいない方は是非こちらから

「同じ1億円を元手にして、A社は1,000万円、B社は300万円の利益を出していたら、どっちが効率的だと思いますか?」

まさに、銘柄選定の醍醐味と言った感じですね。上の内容だけを見るともちろんA社の方が1,000万円も利益を出しているのですから、効率的だと思います。A社の会社の価値が1,000万円。B社の会社の価値が100万円だったとしたらどうでしょう?例えるなら「天下の大企業SONYさんが年間1,000万しか利益を出していない」って考えたら少なく感じますよね?

また、A社の株価が1株1万円。一方でB社の株が1株100円で買えたとしたらどうでしょう。なんとなくB社の方がお得に感じませんか?ここでのポイントは、以前書いたPERとPBRが重要になってきます。

ROE(自己資本利益率)とはPERとPBRの両方を加味する。

  • 計算式:ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本(純資産)
  • 株主から預かったお金(自己資本)をどれだけ上手に増やしているかを見る指標

ここで登場するのがROE(自己資本利益率)となります。以前書いたように、PER(株価収益率)は会社がどれくらいの稼ぐ能力があるか、PBRは会社がどれくらいの価値があるのか、それらを現在の株価と比較するものとなり、それぞれが違う指数となります。ではそれらを組み合わせてみたらどうでしょうか?

先ほどの例を使ってみましょう。今回の例ではA社がSONYさんのような大きい会社、B社が少人数の名前も知られていない小さい会社だと仮定します。当然A社の方がお金をいっぱい持っているので、その分多くの利益を出せるはずですよね?100億円ほどの資金を使って1,000万円の利益を出す会社と、元手が10万で始めた小さい会社ですが、300万円の利益を出す会社で考えると、どっちの方が商売が上手だと思いますか?ROEはこういった違いを数値化したものとなります。

  • 当期純利益     会社が1年間商売をして、最後に残った儲け。
  • 自己資本(純資産) 持っている現金から借金を差し引いた、会社の純粋な価値。
  • ROE = 当期純利益(稼ぐ力) ÷ 自己資本(会社の力

つまり、SONYさんのような大きい企業と、リアカー一つでたこ焼きを売っているおじさんでは、自己資本(会社の力)が違います。そこを揃えて考えた時、どっちの方がより効率的に儲けを出す事が出来るか。ここがポイントとなります。

  • たこ焼きおじさん(会社の力 ・・・  1) 年間利益 300万円  = 能力あたり 300万円
  • 天下のSONYさん(会社の力 ・・・ 100) 年間利益1,000万円  = 能力あたり 10万円

・・・なんとなく、こんなイメージでしょうか笑(やったぜおじさん!)これらをもっと具体的で明確な数値である自己資本(会社の力)と当期純利益(稼ぐ力)で計算したのがROEと言う訳です。

高ROEはなぜ良い?

  • お金の使い方がうまい=効率的に稼げる会社
  • 配当や株主還元にも期待できることが多い

配当や株主還元にも期待できることが多いROEはお金をいかにうまく使って利益を出す能力となりますので、数値が高ければ高いほど利益が出やすく、出た利益を再投資する事で、より成長して会社が成長し株価が上がったりいっぱい稼いだ利益を株主さんに配当金として還元したりする可能性が高いと言うわけです。

業種やビジネスモデル、会社の状況でもROEは変わる

  • 銀行や金融業:高め(10%以上も珍しくない)
  • 製造業:5~10%程度が平均的
  • IT系:無形資産が多く高ROEもあり得る

ROEは高ければ高いほどいい、そう思い高PER株だけを手に入れようとすると、銘柄が偏る事があります。その理由は業種によってはROEがそもそも高めであったり、借金が多い会社だとROEも高くなりがち、一時的な利益でもROEは跳ね上がることがあるので、同じ業種のROEを比較したりその時の会社の状況などもちゃんと見る必要があります。

業種別・有名大企業のROE一覧(2025年時点)

それでは何社か見てみましょう。会社名、ROE、業種の順に書いてみました。株主資本を効率的に活用して利益を上げていると評価されます。ZOZOやソフトバンクなど特定の業種ではROEが非常に高い傾向があります。一方金融業界など、規制や資本構成の影響でROEが他業種と比較して低めになることがあります。

  • (7203)トヨタ自動車           約10.0%   自動車
  • (9984)ソフトバンクグループ       約29.5%   IT・通信
  • (8001)伊藤忠商事            約13.0%   商社
  • (3092)ZOZO              約50.5%   小売り
  • (1878)大東建託             約26.6    建設
  • (8306)三菱UFJフィナンシャルグループ  約7.0%    金融

⑤ まとめ:ROEをこう使おう

  • PERやPBRと合わせてバリュー投資にも使える
  • 安定的にROEが高い企業=経営がうまい
  • 10%以上が高ROE企業の目安(ただし業種にもよるので同業種と比較すべし)

我々投資家としては、自分が買った会社には上手に利益を出して株価を上げてくれたり、より多くの配当金を配ってもらったりしたい。これが目的になります。なのでいざ買う時には稼ぐ力(PER)や現在の価値(PBR)を基本としたうえで、ROEも見ていく必要があります。なぜならROEは“株主のお金をどれだけ大切に使ってくれているか”を見るレンズだからです。

今回はROE(自己資本利益率)について書きましたが、似たような言葉にROA(総資産利益率)と言う言葉がありますが、違いは資産(借金を含めた会社の力)と自己資本(借金を除いた会社の力)の違いになります。こちらについては気が向いたら書いていこうかと思います。

最初にも書きましたが、自分の整理のために書いたものでもありますので、どうしても分かっているからこそ”書こうと思いつかなかった”事もあると思いますので、そういうのも思い出したら書いていこうと思います。少しでもこれを読んだ誰かの参考になれば。

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