投資系の情報を読みあさっていて、色んなところに出てくる言葉。なんとなく意味を知っていたり、なんとなく理解しているつもりになっている言葉って結構ないですか?私もまさにそれ。なので改めて自分自身の理解を深めるためにこのような記事を書いてみる事にしました。
「こんなの検索したらいくらでも出てくるじゃん。」って私も思ってます笑。なのであくまで自分用。あとは私自身がこれらに対してどう考えているか。を書き綴ったものです。
PBR(株価純資産倍率)って何?
株価純資産倍率・・・難しい四文字熟語ですら「うっ・・・」ってなるのに7文字って・・・、そう思いませんでした?私は簿記を学んでいたのである程度ピンと来るところはありますが、一般的にはそうではないと思います。では、こうしたらどうでしょう?
株価と純粋な会社の価値(資産価値)はどっちが高い?もう少しかみ砕くと、会計上の価値と今の株価、どっちが高いの?という事です。例えば本来100円の普段買っているおにぎりが、80円で売っていたら、「お買い得!」って思いますよね?言い換えると、「価値が100円の会社の株が80円で売っていたら」となります。
カンタンな計算式は「株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)」
株価は皆さん分かりますよね?そうです。トレードツールに表示されている金額、今その会社の株を買う時の値段です。問題は「1株当たりの純資産(BPS)」って何なんだよ!って話だと思います。それでは以前記事に書いた「貸借対照表(B/S)」を見てみましょう。
まずは純資産とは何か?ですが、下の図をご覧ください。

前回はTOYOTAさんの貸借対照表(B/S)を見ましたが、もうちょっとわかりやすい図にしてみました。左側の資産が持っているお金や売ったらお金になるもの。右側の上段にある負債がいずれお金が無くなっていくもの。この資産から負債を引いたのが残ったお金、これが会社の価値になります。
株を買うと言う事がどういう事かというと、会社を作るために必要なお金を株券と言う、借入証書みたいなものをお金を出してくれる人に渡して、その会社の権利を渡す代わりに会社はお金を手に入れる。株を買った人はその会社の所有者になりますので、その会社の生み出した利益を手に入れる権利を得ていると言う事になります。つまり、会社にお金を貸しているのと同じ意味になります。
では会社が「今から会社辞めまーす。全部売って株主さんに借りていたお金を返しまーす。」と言い出した場合、その会社の物は株主である私たちの物なので、売れる物(資産)は私たちの物になります。一方で借金(負債)も私たちの物なので、それも返す必要があり、残ったお金(純資産)が私たちの手元に戻ってくると言う事になります。そしてその純資産を持っている株の口数で割ったもの。それが1株当たり純資産となります。
PBR(株価純資産倍率)は「会社のモノサシ」みたいなもの
PBR=株価が会社の“持ち物”に対して割高か割安かを見るものさし
純資産(会社を辞めた時の価値)>現在の株価 だったら割安を意味する。
ここまでくると、なんとなく分かってきた人もいるでしょう。貸借対照表(B/S)が今現在の会社の価値を示す物。それを全ての株数で割ったもの。それが1株あたりの価値になるわけです。よって、例えば純資産が10,000円で、存在する株の数が10株しか無いのであれば、1株の価値は1,000円になるのです。それが市場で1,000円で売られていたのなら、PBR(株価純資産倍率)が1倍。800円で売られていたら、PBR(株価純資産倍率)が0.8倍と言う事になります。
- 株価 1,000円 / 一株当たり純資産 1,000円 = PBR1倍 ・・・ 妥当な価格
- 株価 800円 / 一株当たり純資産 1,000円 = PBR0.8倍 ・・・ 割安
- 株価 1,200円 / 一株当たり純資産 1,000円 = PBR1.2倍 ・・・ 割高
とはいえ、必ずしもこの指標”だけ”を見ればよいと言う訳ではありません。もちろんすぐに会社が解散した場合は儲かるでしょうが、業績が不安であったり、資産が現金化しずらく実際の価値より低くなってしまうような事もあります。また、ブランド力や業種によっても平均的な数値が異なる場合もあります。前回書いたPERやこの後書こうとしている「ROE(自己資本利益率)」なんかと組み合わせる事で活用できる指標である事だけは理解しておく必要があります。
まとめ(PERとPBRの違い)
- PER(株価収益率)は「会社の収入力」を見る指標
- PBR(株価純資産倍率)は「会社の持ち物の価値」を見る指標
- 両方チェックすると「この会社は“どれだけ持ってて、どれだけ稼いでいるか”」が見える!
思い付きで書いたこの経営指標シリーズですが、財務三表から始まりPERに続いてPBRを書いていて思うところは、割と筋道が通った内容になったのではないかと思います。損益計算書(会社の稼ぎが分かる)に関連するPER、貸借対照表(会社の価値が分かる)に関連するPBR。どちらも株を購入する為の判断材料としては重要な切り口なのではないかと思います。
PBRは会社の価値を表す指数になりますので、低ければ低いほど良いのでしょうが、高いにはそれなりの理由があります。それが「ブランド」です。例えば「SONY」さんは世界中の人が知っている有名企業ですが、そのブランド力からPBR1.5倍。なんとなく納得してしまう数値です。一方何かと話題が多い「日産自動車」さんはPBRが0.25倍。ましてや今現在トランプ政権により自動車業界自体が不安定である事も踏まえると、こちらも何となく納得してしまう感じがしますよね笑
最初にも書きましたが、自分の整理のために書いたものでもありますので、どうしても分かっているからこそ”書こうと思いつかなかった”事もあると思いますので、そういうのも思い出したら書いていこうと思います。少しでもこれを読んだ誰かの参考になれば。
コメント